昨今のワープロソフトの殆どには差し込み文書という便利な機能がついています。この機能を活用することで、複数の得意先宛のレター作成などの膨大な作業にかかる時間を一気に短縮できます。ここで説明することは他のアプリケーションにも流用することで作業効率を更にアップさせることができますので、説明をよく読み実際に作業を試してみることをお勧めします。一旦説明の全文をお読みいただいてから一つ一つの手順を踏むことで、作業を理解しやすくなるはずです。 差し込み印刷の手順は以下の6つです:
- データファイルを作成します。
- ファイルを新規文書に接続します。
- 送信する文書の内容を書き込みます。
- 文書に、データの内容に対応したプレースホルダ(文書ごとに変更される領域)を挿入します。
- 各プレースホルダに対応するデータを選択します。
- データファイルを文書に差し込みます。
上記の手順を読んだだけでは理解できなかったとしてもご心配頂く必要はありません。以下でExpress InvoiceとMicrosoft Office Word 2007、またExpress InvoiceとOpen Office 2.2 Writerを例に、差込手順を詳しく説明いたします。手順の説明をお読みいただく上でご注意いただきたいのは、差し込み印刷機能を持つプログラムは、必ず何らかの方法で上記に述べた手順を踏むということです。お使いのプログラムのどのボタンがどの手順に呼応しているかがわかれば作業を行うことができます(どのボタンを押したら良いかわかりにくいという場合は、別のプログラムをお使いいただくこともご検討ください)。 ステップ 1: データファイルを作成します。
このステップで大事なことは、差込を行うプログラムが「理解できる」ファイルを作成するということです。Microsoft WordやOpen Office Writeを含む、差し込み印刷が可能なプログラムの殆どは「CSV」というファイル形式を「理解する」ことができます。そのため、Express Invoice内のデータでファイルを作成する際は、自動的に「CSV」形式のファイルでエクスポートされます。Express Invoiceでは以下の2つのCSVファイルを作成することができます:
これから説明する例では得意先台帳をCSVにエクスポートしますが、報告書のエクスポートも以下と同様の手順で行うことができます。報告書画面のファイルメニューで「CSV形式で保存」を選んでください。 - 「表示」をクリックし一覧から「得意先」を選択します(もしくはキーボードのCtrl+Cを押します)。
- データのエクスポートを行う得意先を選択します(複数の得意先を選択する場合はCtrlボタンを押しながら選択します)。
- 「得意先」メニューボタンをクリックし、一覧から「CSVへエクスポート(差し込み印刷用)」を選択します。
- ファイルの保存先を指定し、ファイル名を入力後、「保存」をクリックします。後でわからなくならないように、保存場所をメモするなどして覚えておいてください。
- 保存が完了すると、エクスポートが成功したかどうかを伝えるメッセージが表示されます。メッセージを確認後、OKをクリックします。
これで作業は完了です。選択した得意先の以下の情報が含まれたデータファイルがエクスポートされました: - 得意先名
- 担当者
- 担当者の姓
- 得意先の住所(最初の4行のみ)
- 得意先のFax番号
- 得意先を担当する営業社員
ステップ 2: ファイルを新規文書に接続します。
このステップでは差込みを行うためにデータファイルと文書を接続します。Microsoft Office Word 2007およびOpen Office 2.2 Writerでの接続方法は以下のとおりです。
Microsoft Office Word 2007
- Wordを実行します。
- 画面上部の「差込み文書」タブをクリックします。
- 「差し込み文書」タブ内で「宛先の選択」をクリックし、プルダウンメニューから「既存のリストを使用...」を選択します
- エクスポートしたCSVファイルが保存されている場所を指定し、ファイルを選択して「開く」をクリックします。
Open Office 2.2 Writer
- Writerを実行します。
- ファイルから「新規作成」を選択し、スプレッドシートを選びます。
- スプレッドシート画面でCSVファイルを開きます。
- ァイルから「名前をつけて保存」を選び、プルダウンメニューから「dBASE」形式を選んだ後「保存」をクリックします。
- スプレッドシートを閉じます。
- Writerへ戻りファイルから「新規作成」へ行き「データベース」を選択します。
- 画面が開きますので、「既存のデータベースに接続」を選択し、プルダウンメニューからdBASEを選択後「次へ」をクリックします。
- 閲覧ボタンをクリックし、スプレッドシートで保存したdBASEファイルを指定します。ファイルを選択し、OKをクリックした後、「次へ」をクリックします。
- 「はい、登録します」が選択されていること、また、チェックボックスが両方とも選択されていないことを確認してください。「完了」をクリックし、このファイルをdBASEファイルと同じ場所に保存します。
- 次に「表示」へ行き、保存したファイルが表示されない場合は「データソース」をクリックします。画面左側で右クリックし、「OpenOffice.orgに登録したデータソース」を選択します。使用するファイルを選択しOKをクリックします。
ステップ 3: 文書を作成します
文書の作成についてはご説明するまでもありませんが、通常の文書作成と異なる点は、データを差し込む箇所を指定するという作業が必要なことです。文書の作成をしながら次のステップ(プレースホルダを挿入)を行うことで、作業効率をアップさせることもできます。
注: プレースホルダの前後に入れたスペースは差込み後の文書に反映されます。例:得意先名 < <様> > とすると差し込み後は-> 山田 様と表示されますが、得意先名< < 様> > とすると差し込み後は-> 山田様と表示されます。
ステップ 4: プレースホルダを挿入
このステップでは、文書内のどこにデータの内容を挿入するかをプログラムに指示するという作業を行います。これは、通常であれば手書きでデータを入力する箇所に、データの差込みを行うプレースホルダを作成するということです。差込みが完了すると、各プレースホルダはデータファイル内の該当するデータに変換されます。
Microsoft Office Word 2007
- プレースホルダを挿入する箇所をクリックしてください。
- 「差し込み文書」タブで「差し込みフィールドの挿入」をクリックし、挿入するプレースホルダを選択します。
Open Office 2.2 Writer
- データソース画面でデータベースの横にあるプラスをクリックします。
- テーブルのアイコン横にあるプラスをクリックします。
- 一覧内のテーブルをダブルクリックします。
- 右側の画面にファイル内の全データが表形式で表示されます。フィールド名を、プレースホルダとして使う箇所にドラッグします。
ステップ 5: データファイルの領域を選択
Microsoft Office Word 2007
- 「差し込み文書」タブで「アドレス帳の編集」をクリックします。
- 挿入するデータのチェックボックスにチェックを入れます(不要なデータにチェックが入っている場合はチェックを外します)。
Open Office 2.2 Writer
- データソースのツールバーで「差し込みフィールドの挿入」ボタンをクリックします。
- ステップ6に進みます。矢印をクリックすることで、差込み後の文書をプレビューすることができます。不要な宛先が含まれていた場合は「この宛先を除外する」をクリックしてください。
ステップ 6: 差し込み
Microsoft Office Word 2007
- 「完了と 差し込み」を差し込み文書タブでクリックし、「個々のドキュメントの編集」を選択します。
- 「全て」を選択しOKをクリックします。
- 別の画面が開き差込みが完了した文書が表示されます。画面を閉じる前に、保存、電子メールで送信、印刷など必要な作業を行ってください。
Open Office 2.2 Writer
- 差し込み印刷ウィザードがステップ6を完了する間にステップ8へ行きます。
- 差込みが完了した文書が開き、いくつかの作業オプションが提示されますので、希望のオプションを選択します。