圧縮

コンプレッサの音声エフェクトは音声録音の音量レベルを制限して、特定の大きさの範囲内に収まるようにします。このエフェクトの最も良く知られた例は、TV放送中の音量です。放送自体の音量を変えていないのに、TVコマーシャルの音量が番組の音量より大きく聞こえるのはこのエフェクトによるものです。

また、音声を1つのデバイスからもう1つのデバイスへ録音する場合、各デバイスが使用する音量が異なることから希望通りの音量で録音されないことがあります(例えばCDプレーヤーはカセットプレーヤーより広範囲の音量が使われています)。こうした問題を防ぐためにもこのエフェクトを使うことができます。

このエフェクトは、「しきい値」を使って指定したデシベル値を超えた録音音声を検出し、音声を既定のデシベル値以下に下げるという作業を行いますが、この作業は徐々に行われるため、聴いている側にはこうした調整が行われていることが気づかれないようになっています。


圧縮率の設定は音量の変化の割合を設定します。例えば音量の変化を通常の4分の1に抑えたい場合は、圧縮率を4:1に設定します。この場合、元の音量が一度に8デシベル上がった場合でも、再生音声は2デシベルしか上がらないということになります。


リミットの設定では最大音量のデシベルを設定します。例えばリミットを0デシベルで設定した場合は、音量が0デシベルを超えて再生されることはありません。リミットの設定はしきい値の設定を似ていますが、大きな違いは、しきい値として設定したデシベル値は(既定の値に下げるまでの短時間の間)この値を超えることがあるのに対し、リミットで設定したデシベル値はいかなる場合でも超えることがないということです。


リミットで設定できる最小音量は、しきい値の最大値と同じです。つまり、しきい値として設定した値を超えると音声の減少が始まりますが、この場合でも限度として設定した値を超える音量には絶対にならないことを意味します。