携帯型レコーダから録音ファイルを転送する方法には2通りあります。一般的なWAVフォーマットのファイルを使い、専用の接続ケーブルとソフトウェアがあるデジタル式携帯型レコーダからの転送には「音声ファイル転送」を選択します。アナログのカセットレコーダや、独自のファイルフォーマットを使うデジタルレコーダからの転送には「オーディオケーブル接続」を選択します。


備考:PDAを使ったディクテーションの場合は、Pocket Dictate(www.nch.com.au/pocket/jpから無料ダウンロード)を使って直接タイピストに電子メールで録音ファイルを送信するのが最も簡単なファイルの送受信方法です。こうすることで、ドック機能が不要になります(タイピストは受信した添付ファイルを開くだけです)。


お勧めする携帯型レコーダについての詳細は以下のページをご覧ください:

ドック:音声ファイル転送


オープンフォーマットのファイルを使うタイプのデジタルレコーダで録音したディクテーションの転送にはこのオプションを使います。


所定のハードドライブに録音ファイルを自動転送するためのソフトウェアが付いた携帯型レコーダにのみお使いいただけるオプションです。


携帯型レコーダのソフトウェアを設定後、Express Scribeのファイルメニューから「携帯機器から転送(ドック)」を選択して「音声ファイル転送」をクリックするとドック(音声ファイル転送)ダイアログが表示されます。このダイアログを使って、携帯型レコーダのソフトウェアがWavファイルのダウンロード用に設定したフォルダを指定します。このダイアログにはまた、以下の3つの転送オプションがあります:


ドック機能の基本的な使い方

各種レコーダ用ソフトウェアのインストール方法と、ドック機能の設定方法は以下の通りです(インストール方法等はメーカーや製品ごとに異なりますので、詳しくは製品の説明書をご覧ください):

フィリップス社製のレコーダ


ExpressScribeと非常に相性が良いレコーダです。ExpressScirbeがインストールされているコンピュータに、レコーダ付属のソフトウェアをインストールする必要があります。インストールが完了するとWavファイルを読み込めるようになります。


サンヨー製のレコーダ


Express Scribeを実行中のコンピュータに、レコーダに同梱されているCDを使って「PCMemoScriber」をインストールします。次に、Express Scribeのファイルメニューから「携帯機器から転送(ドック)」を選択して「音声ファイル転送」をクリックし、参照ボタンを使って「C:\Program Files\PCMemoScriber」を指定します。ドック機能を使ってPCMemoScriberから録音を読み込む際は、レコーダ用ソフトの「Transfer from Voice Recorder」ボタンを押して録音ファイルをコンピュータに読み込み、読み込み完了後Express Scribeの「ドック」ボタンを押してExpress Scribeへの読み込み作業を行います。


オリンパス製のレコーダ(dssファイル)


Dssファイルに関しての詳細はDssファイル形式のテクニカルサポートのページから「DSSファイルが正しく読み込まれません」の項目をご覧ください。


ソニー製のレコーダ(メモリースティック)


ソニー製のレコーダでドック機能を使う場合は、ソニーのVoice Editorを使ってWav形式でファイルをエクスポートするという手順が必要です。やり方を覚えるとあっという間に完了する作業ですのでご安心ください。


まずソニーのVoice Editorプログラムを開き、通常の手順でレコーダー(またはメモリースティック)からデフォルトのフォルダへファイルの読み込みを行います。Voice Editorへのフォルダ(またはファイル)の読み込み完了後、ファイルメニューから「VOICEフォルダに保存」を選択し、Express Scribeへの読み込み用に指定したフォルダを保存先に指定します。ファイルのタイプをWAV(16ビット)に指定し、保存ボタンをクリックします。


上記の作業が完了後、Express Scribeの「ドック」ボタンから「音声ファイル転送」を選択し、上記の手順で保存を行ったフォルダを送り側として指定することでファイルの読み込みを行うことができます。


ドック:オーディオケーブル接続


アナログ式のカセットレコーダーや、オープンフォーマット以外のファイルを使うタイプの携帯型デジタルレコーダをお使いの場合は、この方法でファイルの読み込みを行います。


手順としては単純に録音音声をコンピュータ上で再生してコンピュータに取り込むするというものですが、全二重サウンドカードを搭載し、しきい値の検出レベルが正確に設定されている場合は、タイプ入力中にバックグラウンドで自動的に取り込み作業を行うことができるため非常に便利です。


携帯型のディクタフォンやノートテイカーからExpress Scribeへ録音の転送を行う場合、携帯機器のイヤホン用ソケットと、サウンドカードの入力ソケットをリード線で繋ぎます。接続に使用するリード線はお近くの電気店等でご購入ください。


接続設定


音声録音デバイス


コンピュータに複数のサウンドカードが搭載されている場合、携帯型レコーダに接続されているサウンドカードをプルダウンリストから選択します。


音声入力チャンネル


転送用の接続の場合、通常「ライン」または「ライン入力」を使います。


録音音量レベル


ディクテーション中の音量は、音量メーターがわずかに赤く表示されるレベルに設定します。


音声起動機能を使う

起動を行う音声レベル


音声の転送作業は、一定の音量を超えると開始し、下回ると停止するよう設定されています。デフォルトではしきい値が-15dBに設定されていますが、必要に応じて設定を変更してください。転送の開始が早すぎたり、テープの再生が終わっても自動停止しない場合などは、しきい値の数字を上げ、転送の開始が遅すぎたり、再生が終わる前に転送が終了してしまったりする場合は数字を下げてください。起動の音量を調整する前に、録音自体の音量の調整を行ってください。


手動で読み込みを行う場合は、「音声起動機能を使い自動的に開始および停止を行う」からチェックを外します。


高速で転送


高速での転送が可能なレコーダの場合、「高速で転送」にチェックを入れて転送速度をレコーダの再生速度に合わせて設定することで、長い録音ファイルなどの転送にかかる時間を短縮することができます。 レコーダに高速での転送機能が付いていない場合や、正しい速度設定が行われなかった場合は、録音音声が正しく転送されませんのでご注意ください。 また、標準速度で転送した場合の方が、高速で転送した場合より音質が良くなる傾向にありますので、この点についてもご注意ください。

再スタート


転送が正しく開始されなかった場合は、再スタートボタンを押してテープの最初から転送を開始します。


完了


転送が完了したら、完了ボタンをクリックします。


完了ボタンを押さなかった場合でも、ドック画面は転送終了の15秒後に自動的に閉じますので、録音音量と起動を行う音声レベルが正しく設定されていれば転送開始後は特に何もする必要はありません。


複製処理


ドック機能を使って音声ファイルの読み込み中に、他のファイルを再生しながらExpress Scribeでテープ起こし作業をすることができます(サウンドカードによっては稀にこうした作業ができないものもあります)。この場合、まず上記の手順でドック機能を使ってファイルの読み込みを開始し、完了ボタンを押さずに、Express Scribeのメイン画面をクリックしてメイン画面に焦点を当てます。読み込み中の音声が聞こえてくる場合は、タスクバーのスピーカーアイコンをクリックしてライン入力のチャンネルを閉じます。これで録音中にExpress Scribeで別の音声を再生しながら作業を行うことが可能になります。お使いのシステムの音量コントロールを確認し、ライン入力が音声の再生用に使われていないことを確認する必要がある場合がありますのでご注意ください。