楽譜書き起こしツールは音楽ファイルの楽譜書き起こしをアシストする機能です。複数のパートからなる音楽の音符を正確に検出できる シンプルで使いやすいツールです。書き起しツールをより早く使いこなせるようになるために以下の説明を良くお読みください。

はじめに

まず最初に、書き起しを行う音楽ファイルを読み込みます。

注:パフォーマンスを向上させるには音声を48000hz/16ビットのWAVファイルに変換してください。

ファイルが読み込まれると画面上部に音声の波形が表示されます。中央のメイン画面には検出されたピッチが表示されます。 ファイルの大きさによっては読み込みが完了するまでに1~2分かかる場合がありますが 読み込みの完了を待たずに作業を開始することができます。読み込みが完了していない部分は灰色で表示されます。 画面の左下部にステータスバーが表示され、どの程度の読み込みが完了したかを確認することができます。 音声が読み込まれるとメイン画面に周波数が表示されます。周波数はキー上に表示されている音を示しています。 再生ボタンをクリックすると音声の再生が始まります。音符の流れを見ながら音声を聴くことができます。

次の項目ではこの画面の読み方などにつき詳しくご説明します。

画面の読み方

楽譜書き起こしツールのメイン画面には書き起しを行う音楽の周波数が表示されています。鍵盤が表示されている方向には音の高さが表示され、 数字が書かれている方向には時間の経過が表示されます。画面上に表示される点はそれぞれの時点で検出された周波数を表しています。 線状に表示されている部分は長く持続している音を意味します。点の色の濃さは音量を表しています。音が大きいほどハッキリした色で表示され 小さいほど薄く表示されます。

どの音が演奏されているかは、どの鍵盤に対応する線内に点が表示されているかでわかります。鍵盤に対応する線は 画面上を右クリックして「音符用の線を表示」を選択するか、オプション画面でこの機能を選択することで表示されます。

再生ボタンをクリックすると音声が再生され、画面がスクロールします。点が鍵盤の縁を通過する際に その音が演奏されます。鍵盤の縁の線は、音声再生画面に表示されるカーソルのようなものとお考え下さい。点が鍵盤の縁を通過する際に実際に鍵盤を押してみることで 鍵盤と点の関係をよりよく理解できます。画面に表示されている点(音)が演奏されるタイミングをより正確に確認するには、時間軸の上にマウスカーソルを置きます。カーソルとカーソルがある位置の時刻が表示されます。

音楽を書き起こす

画面の読み方を理解したら実際に楽譜の書き起しを行ってみましょう。ここではより効率的に書き起しを行う為のヒントなどをご説明します。

初めて音楽書き起こしツールに音声を読み込んだ際は、画面上の表示が混み入っていてわかりにくく感じるかと思います。設定項目を調節したり、何度か練習をすることですぐに画面の情報を簡単に読み取れるようになりますのでご安心ください。

音楽を読み込んだ後はまず最初に「ゲイン」の調整を行うことをお勧めします。「ゲイン」の調整用スライダは画面の一番下にあります。ゲインを調節することで強い音をより強調して表示したり、弱い音を消したりすることができます。

次に画面をよく見ながら音声の再生を行います。点がどのタイミングでどの鍵盤上に表示されるかをよく確認してください。

音楽が速すぎて確認が難しい場合は「速度」のスライダで再生速度を変更します。再生速度を遅くすることでピッチを変更せずに再生速度だけを遅くすることができます。

聞こえている音よりも多くの音が画面上に存在するように見えることもあります。同じ時間に表示される複数の点は倍音を表しています。何らかの音を 楽器が演奏する場合(例えばギターなど)、楽器は基音を演奏します。これが実際に聞こえてくる音です。それと同時に倍音と呼ばれるいくつかの高音が現れ、 音を生成している楽器それぞれの特徴を与えます。音楽書き起こしツールではこうした倍音をできる限り表示しないようになっていますが、完全に消し去ることはできません。 実際に楽譜に書き起こす音を見分ける方法としては以下のような作業が考えられます。

再生コントロール

様々な再生コントロールが画面の読み取りをアシストします。

再生コントロール

再生:楽譜書き起こしツールに読み込んだ音声を再生します。

停止:楽譜書き起こしツールに読み込んで再生中の音声を停止します。

先頭に戻る:このボタンをクリックすると音声の冒頭部分に戻ります。録音にループを設定した場合はループの先頭に戻ります。

早戻し:音声を早戻しします。早戻しと早送りの速度を変更するには、楽譜書き起こしダイアログのオプション画面にあるスライダを使って行います

早送り:音声を早送りします。早戻しと早送りの速度を変更するには、楽譜書き起こしダイアログのオプション画面にあるスライダを使って行います

スクラブ:録音をスクラブモードにすると特定のの部分の音声を聴くことができます。特定の箇所で音声を一旦停止してその場所の音だけを聴きたい場合に便利な機能です。

ループ:このオプションを選択してループのオンとオフを指定します。グラフを右クリックしてループのコントロールにアクセスできます。ループする領域を指定するには、グラフを右クリックして始点と終点を選択します。設定が完了するとループ領域を示す2本のバーが表示されます。

メニュー

ファイル ==> 開く: パソコンで参照して音声を開きます。

ファイル==>CDトラックを読み込む:音声をCDから音符表示ツールに直接読み込むことができます。音符表示ツールが曲情報を自動的にダウンロードするようにしたい場合は音符表示ツールのオプションでCDDBを使ってCDトラックの情報を検索にチェックを入れてください。

コントロール==>ループ、再生、停止:これらのメニュー項目は画面下部のコントロールボタンと同じです。それぞれの機能については上記のコントロールボタンに関する説明をご覧ください。

キーボード

鍵盤をクリックすると対応する音が再生されます。書き起しに必要な音がどこにあるのかを確認する際にお使いいただけます。

画面下部には調律スライダーがあります。このスライダを使って鍵盤の調律を行うことができます。音楽書き起こしツールではA440(A=440Hz)にデフォルト調律されています。

ゲイン:ゲインスライダを使って色表示の強度を調整します。最大音量の音符は前景色で表示され、音量が少ない音符は背景色に溶け込みます。これらの色はメイン画面を右クリックするか、オプションダイアログを使って変更できます。ゲインのスライダを動かすと、グラフに即座に影響します。

速度:再生中の音符のピッチに影響を与えずに再生速度を変更できます。これはテンポが速い音符が多数あるセクションで特に役立ちます。スライダを使って速度を調整します。

音量:再生コントロールの横には、音量スライダ、DB表示メーター、現在の再生位置を示す時計があります。

オプション

全般

CD トラックの検索にCDデータベースを使用する

このオプションにチェックが入っている場合、CDから音声を読み込む際に自動で音声情報の検出が行われます。

早送りの速度

音楽書き起こし画面で早送りを行う際の速度を設定します。

早戻しの速度

音楽書き起こし画面で早戻しを行う際の速度を設定します。

音声出力デバイス

音声の再生を行うデバイスを選択します。

フォーマットの警告を表示

音楽書き起こしツールの使用に最適なフォーマットのファイル(16khzのWAVファイル)以外のファイルが読み込まれる前に警告を表示します。

表示

方向

以下のいずれかの方向を選択します:縦または横。縦を選択すると鍵盤が画面の下に表示され音が上下にスクロールされます。横を選択した場合は鍵盤が画面左側に表示され音が左右にスクロールされます。

キーボードに音符を表示

鍵盤上に音名を表示する場合はここにチェックを入れます。表示と非表示の切替えは鍵盤上を右クリックすることでも行えます。

波形画面を表示

画面上部に音声の波形を表示する場合はチェックを入れます。波形画面を右クリックすると非表示に切り替えることができます。

時間軸を表示

時間軸を表示する場合はチェックを入れます。時間軸を右クリックすると非表示に切り替えることができます。

音符の線を表示

鍵盤の幅に沿って画面上に線が表示されます。線を表示することで、周波数を表す点がどの鍵盤上にあるかがわかりやすくなります。

音符をハイライト

マウスが置かれている鍵盤に対応する線がハイライトされます。

前景色と背景色を設定

それぞれのボタンをクリックし、画面に使われる色を設定します。色の設定は鍵盤上を右クリックすることでも行えます。